□社長のこと 41 M.S.
○月×日
記憶力ないんです
「あたしって記憶力ないから」
「記憶力ないんです」
何度聞いたことだろう。
「あたしって判断力ないから」
「判断力、自信ないんです」
聞いたことない。
でも記憶力だけでは、仕事上の能力の個人差や収入の違いを説明できない。
つまり、大部分の人間は、判断力に問題があるのではないか。
そしてそれを、多くの人が正しく認識していない。
と言う論旨で、社長が話し始めた。
本当は2時間ぐらいに及ぶ長い話なのだが、あわてて書いたメモを見ながら書く。
占いに頼るのは、自分の実力ではなく、運のせいにしたいから。
ほんとうに鍛えるべきはベーシックな「脳力」ではなく、「判断力」なのだ。
だから、いくらゲーム機相手に指を動かしても、肝心の「能力」は向上しないのではないか。
そういうゲームの効能も、「本当は私の脳も捨てたものじゃない」と言う、自己満足、自己防衛に根ざしたものではないのか。
文章で読むと、すごく冷たい感じを受けるけれども、社長の話のニュアンスはもっと熱い。
社長は、皆がもう少しよく考えれば、世の中はもっと良くなると考えているタイプだ。
そういう意味では、根本的に人間を信じていると言うこと。
「論理には2種類ある。言い訳のための論理と、そうでないものだ。血液型やバイオリズムなどが前者だね。実は論理の姿をしているだけで、違うものなんだが、多くの人はそれを吟味しない」
「ある女性が『記憶力ナインです』って何度も強調するから、記憶力っていう野球チームに属してるのかと思ったよ」
お詫び:前回宣言した社長の仕事量、ずいぶん経ちましたが、まだ作業中です。仕事の合間に手帳から件数を拾って、ブロスの倉庫にある提出物に当たって確認してます。どうせやるなら正確にと考えたのが失敗でした。手帳の件数だけにすれば良かったと。
今、11年分の途中をやっています。すごい数字ですので、途中経過で発表とも思いましたけれど、それをやると挫折しそうで。
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