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□社長のこと 3     M.S.

○月×日

社長の切り取る「社会」とは その1



前回の文章で、少し泣きましたが、重要な話を思い出しました。
入社してすぐ、社長はこんな話をしてくれたのだ。

「社会というのは、カーテンの掛かったボウリングをするようなものだ。カーテンがレーンの真ん中に下がっていて、ピンなどまったく見えない。

カーテンの脇には客先や上司が立っていて、ああだこうだと指示はする。ただ、この指示は著しく少ないか、あるいは甚だしく多いがまったく役には立たない。

もっと悪い条件だと、マニュアルの分厚いファイルをよこすだけだったりする。

あなたは逡巡しながらボールを投げる。ゴロンゴロンと転がって行き、カーテンの向こうに消える。少し経って、がちゃんと小さい音がして、少しはピンに当たったようだ。でも、ピンはあなたからは見えない。

そのとき何本ピンが倒れようとも、カーテンの脇に立っている人は決して、
『3本倒れましたよ』とは言わない。

『うーん、7本倒れませんでしたねぇ』とニヤニヤするか、
『7本も残っているじゃないか!』と文句を言う。

そのとき、その人達の人格や行動を非難したり、悲観したりしてはいけない。世の中とはそう言うものだからだ。

それは暗闇でゴルフの打ちっ放しをするような、味気ないシステムなのだ。でもしかたがない。そういうものだと考えろ。

それでも楽しくするのにはどうするか、それは・・」


長くなったので次回に続く。





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