暮らしをデザインするということは、美しさを付け加えることでも、特別な人だけがすることでもない。
わたしたちが、どんな暮らしをしたいか思い描くこと事から、すでにデザインは始まっている。デザインとは想い、そして計画し、実際に形を、手法を、見いだしていくことだ。
ひとりひとりが暮らし方を夢想し、具現化してゆく、自分の暮らしに表情を与えてゆく。そうした時間の流れのなかで、自分とともに変わるもの、変わらないものが、いつの間にかその人ならではのスタイルをかたちづくる。
リビングデザインは、毎日の暮らしに、居心地や気配を感じ取り、思い描き、具体化し、また手に入れること。そうした日々の、終わることのない、愉しみなのだ。
「人はまず夢見たものだけを研究することができるのである。」 G.バシュラール『火の精神分析』
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