たとえばあなたは、あなたの生活を、原稿用紙一枚にうまく書き出すことが出来るだろうか。
 文字数は限られている。だからまず自分の生活の大切な、もしくは大きな部分をしめていると思われることを、順序立てて書き出してゆく必要がある。それは、家族そろっての食事、ひとりで本を読むこと、旅行に出かけること‥‥。いや、むしろ特別な時ではなく、ごくあたりまえな日々の暮らしこそ、書くべき事柄かもしれない。
 文字ではなく、写真にしてみるのもいい。手持ちのカメラで、一週間の生活を写し出してみる。その中から何枚かを選んで、コラージュにしてみる。
 生活の中には、じつに多様なモノとコトがある。モノとモノが有機的に結びつき、コトは特定の部屋におさまっていたり、いくつかの場所にまたがっていたりする。その結びつきは、自分の暮らし方や、大切な事柄と対応している。
 生活とは、ただ営むだけのものでなく、ややもすれば、はみ出してしまいがちなモノゴトの折り合いを、編んで修めることによって、発見してゆくものだ。
 そんな生活の編修を、このチャンスにやってみてはどうだろう。家を建てるという行為を、単純な作業と捉えず、自分の「生活の棚卸し」と考えてみるのだ。




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ノウハウでない住いづくり
□ 生活を編修する。