□社長のこと 2 M.S.
○月×日
電話と社長語録
社長は、電話に出るのが早い。社員がいても、先に電話を取ってしまう。
高名な建築家の先生で、2階にその先生がいて、電話が掛かってくると1階の所員が取り、そのたびに2階の先生に持ってゆくという、有名な話がある。その先生の考え方は知らないが、社長の考え方はそれとは逆のようだ。
社長が口癖のように言う言葉で、印象に残っているのはつぎのようなモノだ。
「仕事は長い旅行のようなもの。乗り換えのたびに一電車遅らせてゆけば、目的地に到着するころには恐ろしく遅れる。」
○月×日
前回の社長語録が好評で、1週間で5通もメールが来た。今後はできるだけ、この日記の最後を語録で締めたいと思う。
(あくまで現時点の希望、うまくゆくかは"?")
本人は、自身の会社のHPに自分の言葉を載せることが「年寄り臭くていやだ」と言うが、社長語録は何よりもはっきり、社長の生き方を顕わしていると思う。だいたい自分で書くのではないのだから、あきらめて欲しい。
客先の営業さんから来たメールに(Hさん、無断転載ごめんなさい)曰く、
「みんな社長みたいだったら、日本はどこの国にも負けないですよね。」
ただし、
「過労死ってありますけど、社長は怖くないんですかね。」
それから、学生さんや転職希望者からも、ブロスに入りたいとメールが来ますが、それは単なるあこがれ。かっこいいHPと、このコーナーだけでブロスを判断すると、すぐに過労で死にます。
(冗談ではない!冗談ですが)
この会社に入って初めて建築に接した自分に、社長が言ってくれたこと。
「さえずり慣れない小鳥が沈黙したら、森は永遠に静まりかえるだろう。」
最初の1年は、正直この言葉がたよりだった。(少し泣く)
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