□社長のこと 31 M.S.
○月×日
社長ブログの誘い
このHPを見たある有名企業から、社長ブログをやらないかとの打診が来た。
昔ウチの事務所に出入りの営業さんが転職でその会社に移られ、
社長に白羽の矢が当たったというわけだ。
いろいろあって、社長は多忙を理由に断ったが、わたしはとても残念に思う。
社長はあらゆることに独自の価値観を確立していて、それは判りやすく、
世の中にとって、有益なものだと感じるからだ。
出会ったことで、人生観が変わった人が、たくさん居るだろう。
ブロスを辞めてから訪れる先輩方は異口同音に、ほかには社長のような人物はいないと言われる。考え方のクリアさと面白さは、特筆モノだ。
自己中心的に見えて、ユーモアがある。
排他的に見えるときもあるが、不思議な独特のやさしさを持っている。
大体、世の偉い人のように威張ることもなければ、知識や知恵を出し惜しみもしない。
そんな人間は、その知恵を世の中のために公開すべきだ。
社長、やっぱり、ブログ立ち上げましょうよ。
○月×日
有名税について
「現代は有名税が高すぎる」
突然社長がそんな話を始めた。
例の社長ブログを断った件からの話が続いているような。
社長はバイトで大きな組織設計事務所と、
カリスマ建築家の設計事務所で働いた経験があるそうで、
その経験談の中から出てきた言葉だ。
以下、そのなかで出てきた話の抜書き。
「下手に世の中に知られて毀誉褒貶に晒されるより、
静かに自分の道を歩くほうが精神衛生上いいし、
第一、仕事がはかどるよね」
「大きな企業になってしまうと、
顧客と株主と従業員に優しいだけではなくて、
地球にも優しくなければいけないようだし、
そんなこと、口に出すだけで気持ち悪いよ」
「今の社会は子供にすら地球に優しく、
地球を大切になんておためごかしを教えようとするが、
地球に対してそんなことを言うことの不遜さを伝えたほうがいい」
「地球に優しく、隣人に冷たいのが現代人の一大特徴」
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