3つのうち、どれで建てるか決まりましたか。

なかなか決断が付かない場合もあるでしょう。たしかに、この3つの中からひとつに絞るのは、大変難しい問題です。

しかし、この3つを競い合わせるのはおすすめしません。つまり、どれかひとつと契約するまで、並行して検討し続けるというやり方はダメです。その理由は3つあります。

まず第一に、この3つのコースは全く異なるアプローチ。住いづくりという点では一致しますが、この3つは相容れない部分を持っています。並列作業は多くの方にとって、混乱を生じさせるだけの結果に終わります。

第二に、異なるものを競わせても、どのみちひとつしか選べないわけですから、そのとたん、他の2つを検討したことはできあがる家に生かすことができません。そればかりか、工務店や設計事務所を断るにはかなりの精神的負担を伴うことでしょう。住いづくりは長丁場です。その早い時期に、あまり大きな精神的な負担を課すことは、必要のない苦労です。

三つめは、ある程度他のコースを知ってしまうと、どの道を選択したにしろ、のちのち他の道を選んでおけば良かったと後悔することが少なくありません。これまでお話ししたように、ある部分では、この3つはまったく違うメリットとデメリットを持っているのです。特にハウスメーカーは、他の2つのデメリットをなくすために生み出されたシステムとも言えるくらいです。
ある程度足を突っ込んでから、結果的にどれを選んでも後悔するのであれば、最初から足を踏み入れないほうが、精神衛生上良いに決まっています。

実際、設計事務所の中には、ハウスメーカーとの競合の場合断るところもありますし、他との競合をいっさい嫌う場合さえあります。
(この、建築設計事務所の排他性と妙な特権意識は、私の最も嫌うところです。競合をさせずに半年も一年も、建築家のアイディア出しを待っていられるほど、人生は長くないですし、待たされた挙句ポンコツプランだったら補償でもしてくれるのでしょうか。)

家を造るためには、これからたくさんの決断をしてゆかなければなりません。その最初として、この3つから1つを選ぶ大きな決断は、早めにするべきだと思います。




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