住宅メーカーのシェアは、3階以下の住宅では現在約15%と言われています。家を建てるとき、約80%の方が住宅展示場へ行って検討をするそうです。住宅展示場は言うまでもなく住宅メーカーの商品が並ぶ場所であり、住宅づくりを考える上で、ハウスメーカーを無視することはできない時代だと言えます。
写真を多用し、ハウスメーカーを羅列した情報誌はたくさんあります。しかしそれらのうち大部分は、広告をもらう都合上、ほんとうに厳しい意見や内容を載せていません。
同様に内幕もの、暴露ものが氾濫しています。その中にはあまりに狭い自分の体験だけを羅列したものや、偏見に満ちたものが多いのも事実です。
風水などの信ずるかどうか式のものや、「買ってはいけない」式の断定的な意見で突っ走っただけの本など、首を傾げたくなるような書籍が氾濫しているのも、最近の傾向です。
これから住宅を検討する方にとって、それらの情報は本当に有益でしょうか。
企業側の論理ばかりをのせた記事はもちろん、住いづくりを疑うことであると説く欠陥住宅告発本も、やはり有害な情報として機能することが多いのではないでしょうか。
もうひとつ指摘しておくと、住宅メーカーの内部の人間が著した書籍はほとんどが、営業マンの立場から書かれています。ハウスメーカー内部では、営業の方が設計よりも組織として強い部分があるのは事実ですが、大学時代から専門的な勉強をしてきて、プロになると言う意味では、設計の立場からの意見もあっておかしくないと思います。私の文章がそれに該当するかは、読者諸兄のご判断におまかせしますけれども。
社会に出てからずっと住宅の設計をして来て、設計事務所として住宅に関わり、今もいくつかの住宅関連会社と付き合いがある人間として、今まで見聞きしてきた経験と、それらから考えた内容を、これから大事なわが家をお建てになる方々に提供して、少しでも参考になれば、と考えました。
少し説明の順序が逆になってしまいましたが、ここで述べる住いづくりとは基本的に一戸建て新築を指しています。マンションなども住まいには違いないのですが、それはできあがったものを買うという意味で、このコーナーで述べる住いづくりとは違うと思うからです。
内容については、できるだけ偏見を避けるよう努力したつもりですが、いかんせん思いこみの激しい人間が書いているため、そのへんはみなさんの方で取捨選択ご判断をお願いいたします。
これまでも弊社のホームページで掲載してきた文章です。大幅には変更していませんが、一部追加したものもあります。また、構成を少し改変しました。
住いのパートナーづくりや展示場まわりの際の注意点など、比較的平易な内容にしてあります。同業の先輩からは、親切丁寧だが突き放した文章と言われました。悔しいですが、正しい指摘だと思います。
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