□チェックシステムよりも大事なもの
施工システムそれ自体に注意する

メーカーを選ぶ際に直接施工かどうかを大変に気にする施主がいらっしゃいます。しかし、中小の会社を除けば、躯体工事に限っても、厳格な意味での直接施工はほとんどないと言ってよいでしょう。また直接施工であっても、建築はいろいろな意味で分業体制が進んだ職種であり、全ての工種をその施工業者の社員が施工するとは考えられません。

大事なのは直接施工か否かではなく、むしろ責任管理体制が整っているかでしょう。責任管理体制と言うとすぐにチェック体制を説明する営業マンが多いのですが、出来上ったもののチェックよりも、工程のなかで良い仕事が出来る、またはいい加減な仕事が出来ないようになっているかというシステムの内容が、ずっと重要であろう思います。

建築という行為は、一品生産と現場生産という二つの大きな特徴を持っています。そのため、一度施工してしまったものをチェックすることは難しく、またもし不具合が発見できてもそれを修正することが大変困難であるという性質があります。

具体的に言えば、現場監督の権限と責任、施工店への責任委譲と評価方法などが、正しく整備されていること、現場単位で的確に機能していることを確認すべきです。

しかし施工システムの問題は、顧客の立場からではなかなか判りづらい部分ですし、実際に現場が動き出してからでないと、言葉だけでは伝わりにくい部分でもあります。相手が営業マンである段階では、こちらが納得するまで質問を続けると言うより、きちんと説明が出来るかを確認するにとどめましょう。ちゃんと機能しているシステムであれば、営業の役職者であれば概要は説明できるはずです。営業マンに尋ねて要領を得ないときは、所長など営業責任者に質問をぶつけてみるのも良いと思います。要は施工形態を気にするより、施工システムに着目することです。


住いづくりのノウハウ
□検討するための基礎知識
  ・工法の違いを再確認
  ・値引きには3通りある
  ・チェックシステムよりも大事なもの
  ・顧客評価はこれで調べる
  ・企業組織と家づくり
  ・見積書の見方
  ・ユーザーを探そう
□ 検討するための基礎知識
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